耳の治療について

耳の手術は、患者様の耳の状態により短ければ30分、長ければ12時間以上かかることもあります。 同じような形に見える耳でも手術方法が異なることがありますので、ご自身の耳の状態について、しっかりと理解することが大切です。

小耳症

小耳症の患者様は耳が十分に発達していません。このような耳に奇形を持つお子さまが生まれる理由についてはまだ解明されていませんが、8,000~10,000人に一人の確立で小耳症を持つお子さまが生まれています。

典型的な耳垂型小耳症の場合、当センターでの再建手術は適齢期としている12歳以上で受け入れており、12歳以下のお子さまに再建手術を行うことは推奨いたしておりません。

小耳症の再建手術は6か月間隔で3段階に分けて行われます。耳のフレームにはメッドフォアと呼ばれる人工骨ではなく、最も安全で耐久性がある患者様ご本人の肋軟骨を使用することを勧めています。

メッドフォアを使用した手術がより簡単なため、こちらを使用して耳のフレームを作るセンターもありますが、最終的に(5~10年以上後に)問題が起きる可能性が高くなります。また、使用するメッドフォア自体に問題があり、当院へ再手術に訪れる患者様もいらっしゃいます。

関連出版物
(Dr. park)

立ち耳

耳が正面を向いているため耳が大きく見える“立ち耳”と呼ばれる耳を持つ患者様は、物心がつき学校へ通い始める頃に他の人の耳と違うことが気になりストレスを感じ始めます。

耳が十分に成長した後に手術を受けることが、幼い患者様にとってはるかに安全なため、当センターでの立ち耳の矯正、形成手術は10歳以上とし、手術は部分麻酔で行われます。(10歳を過ぎると耳の成長はほとんど止まります。)

立ち耳を改善する手術は、耳の固定、軟骨切断、軟骨湾曲など、非常にたくさんの方法があります。しかし、これらの方法を単独で行ったとしても立ち耳を改善することはできません。手術後に再発の可能性があると説明する病院もあるようですが、適切な手術が行われれば再発しません。

西洋の方々においてはアジア人よりも耳をフラットにしたいという傾向があるため、文化の違いも考慮することが大切です。

関連出版物
(Dr. park)

埋没耳

耳の上部が頭皮の下に埋もれた状態の耳を“埋没耳”と呼びます。他の人の目には比較的普通に見えるかもしれませんが、このタイプの耳を持つ患者様は耳の上部が埋もれてしまっているため、マスクや眼鏡の着用が困難です。埋没耳はアジア人に多く見られる傾向があると言われています。

埋没耳の手術もまた、幼い患者様の安全のためにも耳の成長がほぼ終わるとされている10歳以降に行うことを推奨しており、手術は部分麻酔で行われます。

手術は耳の上部を切開して溝を作り、周囲の皮膚を使用してその溝を覆います。他の病院では皮膚移植で溝を覆うこともありますが、これは最も避けるべき選択肢です。パク・チョル院長は上部耳介奇形と呼ばれる埋没耳に関する研究も発表しています。

関連出版物
(Dr. park)

折れ耳

“折れ耳”は別名“カップ”耳とも呼ばれます。巻かれたように収縮した耳を持つ患者様のほとんどは、その上部に影響を受けます。最も一般的なタイプの折れ耳は、耳の上部が下に折れ曲がっています。

折れ耳を持つ患者様の手術適齢期もまた、耳の成長が止まる頃である10歳以降を推奨しており、手術は部分麻酔で行われます。

一部の外科医は折れ耳を立ち耳と誤診し、立ち耳の手術方法を用いることがあります。 折れ耳に対しては耳の固定、軟骨切断、軟骨湾曲だけでなく、皮弁、移植、縫合など、患者様の耳の状態に応じで追加の治療が必要です。

関連出版物
(Dr. park)

耳垂形成

耳垂(じすい)-耳たぶ-も手術が必要となる様々なケースが存在します。最も一般的なのは、イヤリングやピアスの着用により耳垂が裂けてしまう耳垂裂ですが、私たちのような耳の専門医は、耳垂に先天的な問題を抱えている患者様を治療することも少なくありません。

先天的に耳垂裂を持って生まれる方は、耳垂が小さく二つに分れています。病院によっては裂けた耳垂を簡単に縫合するだけのところもありますが、その方法では耳垂が小さくなり左右非対称になってしまいます。反対側の耳と大きさを合わせるには、皮弁と呼ばれる組織を使用し繊細で複雑な手術を行う必要があります。

また、ピクシー耳(刀耳)と呼ばれる丸みがなく尖った印象の耳垂を先天的に持って生まれる方もいらっしゃいますが、近年ではアンチエイジングのために切開フェイスリフトを行い、後天的に耳垂が変形しまう方も増えています。耳垂形成により、このような耳垂にも丸みとボリュームを取り戻すことが可能です。

関連出版物
(Dr. park)

その他の耳の奇形

外傷性の耳の再建は、小耳症の再建と似ています。通常、耳のフレームを作るためには肋軟骨が必要となり、組織を使用したカバレッジを行いますが、この手術を行うには全身麻酔が必要です。

また、非常に稀な奇形にスプーン耳(Spoon ear deformity)、 クエスチョンマーク耳(Question mark ears)、 貝殻耳(Shell ear deformity)、 スタール耳(Stahl’s ear)、 大耳症(Macrotia)などがあります。耳再建の専門家でなければ、医師でさえもこの奇形についての診断は容易ではありません。耳の形にお悩みがありましたら、世界トップクラスの耳専門医、パクチョルにご相談ください。

関連出版物
(Dr. park)